TANUKI夫婦の古社寺巡り 奈良市周辺部の古社寺
 奈良市周辺部の古社寺
唐招提寺
唐招提寺 南大門 唐招提寺 金堂(国宝) 金堂内は外からしか拝観できません
唐招提寺 講堂(国宝) 開山御廟(鑑真和上のお墓) 紅葉の向こうに礼堂(らいどう)、鼓楼
唐招提寺 律宗 総本山 本尊:盧舎那仏 (奈良時代の寺院には山号はない)

TANUKI 夫婦が何度も奈良に行くようになったきっかけのお寺です。TBSのTV番組で、1999年から10年にわたる金堂の解体修理の放送を見ました。古の匠の技、それを再現しようとする現代の名工の技術の素晴らしさに感動しましたし、金堂の建設当時からの変遷を解き明かそうとする気の遠くなりそうな調査、科学的なアプローチ、巨大な仏像を修復する技術・・・・何度もVTRを見直し、どうしても盧舎那仏さん、薬師如来さん、千手観音さん、巨大な3尊の仏像に会いたくて出かけました。
3尊の仏様は息をのむような、圧倒されそうな・・・・それでいて何ともやさしいお姿でした。魅せられて、以降何度も訪れるお寺になりました。金堂の仏像はもちろんですが、新宝蔵におられる多くの奈良時代の木造や木心乾漆の仏像も素晴らしい仏様です。時の流れとともに完全なお姿ではなくなっていますが、それが逆に歴史の重みと天平の仏師の思いを感じます。
2度目に訪れた時、南大門前の茶店に行きました。とても美味しいわらび餅を食べたのですが、茶店のおばあさんが「藥師寺は派手だけど、唐招提寺は地味だから・・・・」と話し始めて、唐招提寺のお坊さんのことやこの地域のことまで、いろいろと面白い話をしてくださいました。その次に訪れた時からは、店は閉まっていました。もう店を止められたのかと思いますが、良い思い出を頂きました。
藥 師 寺
藥師寺 南門 藥師寺中門の二天王像 西塔     東塔(国宝)
藥師寺 金堂 藥師寺 大講堂 玄奘三蔵院から東塔の眺め
薬師寺 法相宗 大本山 本尊:薬師三尊  (山号はない)

最初に訪れた時、何か真新しいキラキラした寺院だな・・・・と、奈良の古刹のイメージとはかけ離れた違和感を感じました。
しかし、歴史を知るうち納得できました。平城遷都後、飛鳥の藤原京より現在地に移転したお寺で、当時(奈良時代、天平年間)の建物で残っているのは東塔(国宝)だけ。なお、東院堂(国宝)は鎌倉時代に再建された建物のようです・・・・。荒廃したお寺を「究極の語りのエンタテイナー」と呼ばれた高田好胤(たかだ こういん)元管主の百万巻写経勧進によって金堂、西塔など薬師寺の伽藍が復興したとのこと。また、再建には宮大工で文化財保存技術者の西岡常一棟梁があたられたとのことでした。
藥師寺は、建物は再建され新しいのですが、そこにおられる仏(仏像)さんたちは国宝や重文ばかりです。金堂の薬師三尊(国宝)さんは、拝観してると引き寄せられるような仏像です。薬師さんの両側におられる日光・月光の両菩薩さんについて「お薬師さまはお医者さん、日光・月光菩薩さんは看護師さん。日光さんは日勤の看護師さんで月光さんは夜勤の看護師さん。24時間我々を見守り助けてくださる仏様です」というお寺の説明で何かとても納得できました。
ちょっと離れた玄奘三蔵院には平山郁夫画伯の大唐西域壁画が納められていました。でも、TANUKI は・・・・ここ藥師寺では東院堂の聖観音さん(国宝)が一番好きな仏像です。やはり、古い・・・・薄暗い建物(日本最古の禅堂といわれています)の中に静かにたたずんでおられる仏様(仏像)に魅力を感じます。
なお、東塔は平成21年から解体修理されていました。12年後、令和2年に落慶法要の予定でしたが新型コロナウィルス感染拡大のため延期されているようです。TANUKI夫婦も蘇った東塔を見に行きたいのですが・・・・。
白 毫 寺
白毫寺 山門  白毫寺 本堂 白毫寺 御影堂
高円山 白毫寺(びゃくごうじ) 真言律宗 本尊:阿弥陀如来

新藥師寺からさらに南東へ、高円山の麓にあります。最初にレンタカーで行ったのですが、駐車場が見つからず・・・・おまけに道に迷ってしまいました。2度目の挑戦で、やっとたどり着きました。駐車場はお寺の入り口の民間駐車場しかありませんでした。
花のお寺として有名なようです。我々が行った時は、残念ながら花の季節ではなく、しかもあいにくの雨の中でした。仏像も拝観できず、境内から奈良の市街を眺めて帰りました。でも、奈良の町の眺めは素晴らしかったので満足としましょう!
寶 山 寺 ( 宝 山 寺 )
宝山寺 惣門 宝山寺 本堂 奥の院へ 両側にずっとお地蔵様が・・・
生駒山 寳山寺(ほうざんじ) 真言律宗 大本山 本尊:不動明王

この古刹は何の基礎知識もなく訪れました。奈良からの帰りに生駒の山上遊園地に行って、大阪と奈良の町を眺めてみようと生駒ケーブルに乗りました。ところが、宝山寺から先のケーブルが運休中でした・・・と言うわけで、寶山寺に・・・。(ご本尊さんには大変失礼ですね。お許しください!)
この地は、もともと役行者さんや空海さんの修験の場だったようで・・・・その後、1978年(延宝6年)に宝山湛海というお坊さんが歓喜天さんを祀り今に至るようです。歓喜天さんはました。現世のあらゆる願いを叶えてくださるそうで、「生駒の聖天さま」と呼ばれている庶民信仰のお寺だそうです。
全く予習(?)をせずに訪れたTANUKIの第一印象は・・・神仏習合の形の残るお寺? 修験道?・・・と???でした。ただ、奥の院への山道の両側にずらりと続くお地蔵さんが印象的でした。
圓 成 寺 ( 円 成 寺 )
円成寺 楼門 円成寺 本堂 楼門の前には浄土式庭園が・・・・
忍辱山(にんにくせん) 円成寺(えんじょうじ) 真言宗御室派 本尊:阿弥陀如来

九体阿弥陀さんに会うため、2度目に浄瑠璃寺を訪れた帰り・・・・運慶さんの大日如来坐像さん(国宝)に会うため回り道をしました。
TANUKI 夫婦が訪れた時は、参拝客も少なく静かなお寺でした。楼門の前に美しい浄土式庭園が広がっていました。ご本尊は阿弥陀如来さんで定朝様の半丈六坐像とのことですから平安時代の仏像だと思うのですが、残念ながら近くでの拝観はできませんでした。
お目当ての大日如来さんは多宝塔に安置されていると、前に見たガイドブックにあったので・・・・多宝塔をのぞくと、ガラス貼りの中に大日如来さんがおられたのですが、「レプリカ」とのことでした。庫裏の中に厳重な造りのお堂ができていて、そこにおられました。運慶さんの初期の作とのことでしたが、何とも若々しい力の漲るような仏像でした。
お寺の方のお話では、多宝塔は1990年(平成2年)に再建された物だそうですが、台風で雨漏りが生じたとか。そのため大日如来さんは相應殿というお堂を造りそこに安置しているとのことでした。