TANUKI夫婦の古社寺巡り 桜井市とその周辺の古社寺
 奈良 桜井市とその周辺の古社寺
室 生 寺
門前の「橋本屋」 入り口の太鼓橋 室生寺 仁王門
室生寺 金堂 室生寺 五重の塔
五重の塔の横から奥の院へ 奥の院 常燈堂は懸け造り・・・ 奥の院 御影堂 板葺きの屋根
室生寺金堂の紅葉 室生寺本坊の紅葉 室生寺太鼓橋の紅葉
宀一山(べんいちさん) 室生寺(むろうじ) 真言宗室生寺派 大本山 本尊:如意輪観音
山号は宀一山(べんいちさん)または檉生山(むろうさん) 「女人高野」の別称あり

桜、石橘花(しゃくなげ)・・・秋の紅葉と四季を彩る花に囲まれた美しいお寺です。TANUKI夫婦にとっては、多くの美しい仏像にお目にかかれる素晴らしいお寺です。特に金堂に並んでおられる釈迦如来さん、薬師如来さん、文殊菩薩さん、十二神将さん・・・弥勒堂の弥勒菩薩さん・・・あげればきりがないと思うほどの歴史的にも製作技法にも価値のある素晴らしい仏像が並んでおられます。特に金堂は、いつまでもそこにいたいと思う仏様の世界です。
しかし、室生寺は山里にたたずむ別天地のようなお寺ですから、交通の便は悪くレンタカーを利用するしかありません。2度目に訪れたのは花のないシーズンオフだったせいか門前の民間駐車場も閉まっていました。お寺に入る太鼓橋の手前にある、写真家の土門拳さんが定宿にしておられたという橋本屋さん(「ぜんざい」がとても美味しかった!)のご厚意で敷地に駐めさせていただきました。
お陰でこのときは奥の院まで行ったのですが・・・・五重塔へ向かう途中、ご高齢の女性の方が「奥の院まで行けますかね?」とお坊さんに尋ねておられました。お坊さんの答えは「このお寺は女人高野とは言われてはいますが、女性にとって、もちろん男性にとっても優しいお寺ではありません。急な階段だらけですからね。とりあえず五重塔まで行って、それで行けそうだと思われたら行かれると良いですよ。」とのこと。・・・・確かに五重塔までも結構な階段、そこから山道が続き、最後は延々と続く石段で・・・・写真を撮る気力もなくなりました。きつかったです!
長 谷 寺
長谷寺 登廊 長谷寺 鐘楼と本堂入り口 長谷寺 本堂 正面の舞台
長谷寺 五重の塔 長谷寺五重の塔の紅葉 長谷寺本堂舞台から初瀬の眺め
豊山(ぶさん) 長谷寺(はせでら) 真言宗豊山派 総本山 本尊:十一面観音(十一面観世音菩薩)

長い登楼(のぼりろう)が印象的なお寺です。ご本尊は高さ10mの十一面観音さん。本堂正面から手を合わせると、ちょうど観音さんのお顔が参拝者と向き合うようになっています。つまり、観音さんが地下部分に立っておられるというイメージです。
長谷寺には、今まで2回訪れましたが、運良く2回とも特別拝観が行われていました。国宝の本殿に入らせてもらえ、観音さんの足に触れてお参りできました。下から見上げる十一面観音さんは圧巻でした。
長谷寺は山に沿うように建物が点在しています。国宝の本堂も懸造りで、舞台から長谷の町並み(門前町)も眺められるし、ここから見る五重塔もきれいです。その代わり、旅で疲れた足には少々・・・・。門前には風情のある古い町並みが残っています。草餅やそうめんなど、その土地ならではのお店も並んでいます。TANUKI夫婦は「葛」を食べるのが楽しみです。
ただ、門前町は道が狭く、一方通行になっています。最初にレンタカーで訪れた時、知らずに・・・・逆行してしまい、向きも変えられず苦労しました。ご迷惑をかけたお店の方々ゴメンナサイ!
安部文殊院
安部文殊院 本堂 安部文殊院 金閣浮御堂・霊宝館
安倍山 安倍文殊院 華厳宗 本尊:文殊菩薩

ご本尊は文殊菩薩さん。獅子に乗り4人の脇侍を伴う渡海文殊の姿で鎌倉時代の快慶作とこと。7mの文殊菩薩さんで、国宝だそうです。さすがに大きさには圧倒されました。
お寺の由来は、大化改新の時に左大臣となった安倍倉梯麻呂(あべのくらはしまろ)が、大化元年( 645年)に安倍一族の氏寺として建立した「安倍山崇敬寺」(安倍寺)を起源とするそうで、東大寺の別格本山だったようです。また、阿倍仲麻呂や安倍晴明はこの寺で生まれたとの伝説もあり、安倍晴明信仰の聖地の1つなんだそうです。拝観を申し込んだら、お茶までご馳走になり・・・・本堂でゆっくりと、ほぼ貸し切り状態で拝観させて戴きました。
境内には安倍倉梯麻呂の墓と伝えられている飛鳥時代の古墳もありました・・・・と、ここまでは感動の世界だったのですが、境内に小さな石碑を見つけてしまいました。そこには「安倍晋三・・・・」と。まさか、あんた安倍晴明の子孫とか言い出すんじゃなかろうね。あんたんとこの(あなたの家の)墓は山陰の向津具(むかつく)半島じゃろうが・・・・。あんたの親父さん、晋太郎さんもそこに眠っちょられるじゃろうが(山口弁です!)・・・・まあね、昔から家系図なんてのは偽造の宝庫ですからね~。武士だったらほとんど源氏か平氏につながるんですよね。清和源氏とか言って、天皇さんをご先祖にしてね。あの家康さんとか秀吉さんなんて家系図偽造の権化みたいな人たちですしね。そうそう、TANUKI は地元の銘菓や土産物の由緒由来を専門に作ってる(でっち上げてる)人、知ってますよ。
・・・・で、せっかくの感動が一瞬にして冷めてしまいました。「もう、2度とここに来るのはよそう!」と夫婦で話しながらお寺を後にしました。嘘つき桜を見る会の親分!感動を返せよ!
聖 林 寺
結構な坂の上にあるお寺でした 聖林寺 山門 本堂前の庭
霊園山(りょうおんざん) 聖林寺 真言宗室生寺派 本尊:地蔵菩薩

桜井から県道37号桜井吉野線に入って、右手の山の中腹にあるお寺です。櫻井経由で談山神社のある多武峰(とうのみね)に行くために通る道ですが、最初に通った時は、看板を見つけながら通りすぎてしまいました。で、数年後改めて行ってみました。
駐車場から階段を上って・・・・見てくれより、結構登るだけありました。ご本尊は、子安延命地蔵さん。大きな石造りのお地蔵さんでした。本堂にど~んと石のお地蔵さんが鎮座してる風景は、最初何か違和感を感じました。
ぜひ拝観したかった十一面観音さんは、別棟の観音堂で厳重なガラス貼りの中に静かに立っておられました。700年代に東大寺の造仏所でつくられたと伝えられる木心乾漆像で、ミロのヴィーナスと比較されるというお姿は何とも言えない立ち姿の美しい観音さんでした。フエノロサさんが絶賛しただけのことはある、思わず見とれてしまうような美しさに感動! 来たかいがありました!
大神神社 (おおみわじんじゃ)
大神神社 二の鳥居 古い形の鳥居(鳥居の原形)とか 大神神社 拝殿
何の知識もなく、何も知らないで奈良に行き始めた頃、列車の車窓から遠くにとてつもなく大きな鳥居を見ました。後になって、それが大神神社(おおみわじんじゃ)の大鳥居だと知りました。
日本で一番古い神社なんだそうです。社殿としては拝殿だけで、三輪山そのものを拝する原初の神祀りの様を伝えているそうです。拝殿前の鳥居も古い形の、現在の鳥居の原形なんだそうです。
訪れた日は大雨警報が出ていて、今にも降りそうな天気でした。駐車増に車を駐めて参拝して駐車増に戻るまで、何とか小雨程度で天気が持ってくれました。その後、滝のような雨となりましたので・・・・大神神社の神様、大物主大神(おおものぬしのおおかみ)さんが「よく来たな!」と言ってくださったのかも・・・・。
談山神社
談山神社 本殿までの石段 談山神社 本殿からの紅葉 談山神社 十三重塔
大化の改新で蘇我入鹿を殺害し、蘇我一族を滅亡させた中大兄皇子(後の天智天皇)と中臣鎌子(後の藤原鎌足)が多武峰(とおのみね)でその相談(密談?)をしたという場所で、鎌足さんの没後に長男の定慧和尚が墓をこの地に移し、十三重塔を建立したと伝えられているようです。その後、神殿が創建され鎌足さんを神として祀ったそうです。
ここは紅葉の名所で、ms.TANUKI の友人から「奈良で紅葉を見るなら談山神社。ちょっと遠いけどレンタカーなら行けるよ。」と言われてたので行ってみました。初めて行った時、確かに紅葉はきれいでしたが・・・・本殿まで行ったら急に土砂降りの雨となり、みるみるうちに道路が川のように雨水があふれ、傘をさしてても下着までびしょ濡れになってしまいました。早々に駐車場に戻り、カーナビに従って山道を反対側に走ったら、明日香の石舞台に出ました。なるほど、このような位置関係だったのかと思ったことを覚えています。その後、再度紅葉の季節にリベンジ。天気は快晴ではありませんでしたが、圧巻の紅葉を堪能できました。