石仏と秘仏に会いに・・・ その2 当尾
TANUKI の 近況報告     石仏と秘仏に会いに・・・ その2 当尾   2014.11.4.
まずは・・・浄瑠璃寺へ・・・! 九体阿弥陀さん、秘仏の吉祥天さんに会えました
岩船寺の名のおこりとか・・・お風呂だそうです! 阿弥陀さん・四天王さん、普賢菩薩さんとお会いできた岩船寺
「吊り店」って言うんだそうですね・・・何か癒やされる! 阿弥陀三尊・・・通称「笑い仏」さん すごくきれい!
唐臼の壺・・・何かを作りかけのような気がするのは気のせい? 阿弥陀地蔵磨崖仏・・・通称「からすの壺」とか・・・???
あたご灯籠・・・これ灯籠?お花が供えてあるのはなぜ? 藪の中の三仏・・・もう一体は、ちょっと離れた所におられました
奈良奥山ドライブウェイ・・・大仏殿の眺望場所がありました 若草山の山頂 奈良盆地のすばらしい眺望でした
今回の旅のメインイベント・・・当尾の石仏巡り!

 今回の旅で、一番行ってみたかったのが浄瑠璃寺、岩船寺そして当尾(とうの)の石仏巡りです。当尾は木津川市ですから、正確に言うと京都なのでしょうが、奈良から約10km弱、若草山の北側(正確には北東かな?)ですし、奈良仏教(特に興福寺との関係が深いそうですが・・・)のお坊さんの隠遁や修行の場だったとのことですから・・・TANUKI としては奈良に含めたいと勝手に思っています。
 大阪から近鉄急行で近鉄奈良駅に。駅前でレンタカーを借りて当尾へ向かいました。ネットなどで調べたら、当尾は極端に交通の便が悪そうだったので・・・。

 ガイドブックなどでは、浄瑠璃寺から岩船寺に向かうコースがほとんどなので、まず浄瑠璃寺へ。駐車場に車を駐めて料金を払いに行き「岩船寺まで石仏巡りをして帰ってくるまで車を駐めてて良いですか?」と言ったら,駐車場のおばさんが「それは構いませんよ。どうぞ。でも、岩船寺から歩く方が楽ですよ。下りになるから・・・。コミュニティバスが30分後に来るから、それで岩船寺まで行って、こっちに戻ってきたら?」「ありがとうございます。では、まず浄瑠璃寺にお参りしてきます・・・。」と浄瑠璃寺へ。

 浄瑠璃寺は見事な九体阿弥陀仏さんが迎えてくださいました。九体の阿弥陀さんがずらりと並んでおられる様は圧巻でした。寄せ木の技法で仏像が大量生産できるようになった平安時代の仏様で、九体が残っているのは浄瑠璃寺だけとのことでしたが、九体の阿弥陀さん、それぞれが微妙に違う表情をしておられるように感じました。また、秘仏の吉祥天さんにもお会いできました。吉祥天さんは、美しくやさしい、何か包み込むような仏様でした。これだけでも、今回の旅の収穫があったような気になりました。
 浄瑠璃寺で、思わずゆっくりしてしまい・・・案の定、バスに乗れませんでした。次のバスは1時間後。門前に食堂(?)がありましたので、とりあえず昼食。とろろ定食を注文。これが何とも美味〜!!山の幸を堪能させて頂きました。満足〜!!

 コミュニティバスのバス停で、じっとバスを待ってたら、若い女性2人連れと我々と同年代と思われるご夫婦、新潟から来られて通常の観光コース(?)ではないコースを歩くと言っておられた方と一緒になりました。「バスは、ここで待ってれば良いのでしょうか?」と言われるので「だと思いますよ・・・駐車場のおばさんから聞いてきましたので・・・。」・・・で、お互いにいろいろ話すわけでもないのに、何か仲良くなったというか仲間意識のような・・・通常では考えられないことですが、これも仏の里の御利益なのかも・・・。
若い女性が面白いことを言ってました。「私は京都より奈良が好き。」・・・TANUKI も心の中で「そうだ!私達夫婦ももそうだ。」と聞き耳を立ててたら・・・「私は断然、奈良派!」(おやおや、そんな言い方があるんだ?)「だって、京都は”いらっしゃい”だけど奈良は”お帰りなさい”だもの・・・」 なるほど!

 岩船寺では四天王さんに囲まれた阿弥陀さん、普賢菩薩さんとお会いしました。ここの阿弥陀さんも、うまく言葉では言い表せないのですが、何か引き込まれるような素敵な仏様でした。また、岩船寺の阿弥陀さんと向き合って、浄瑠璃寺の「静」に対して岩船寺で「動」を感じました。信仰心のないTANUKI のことですから・・・ま、勝手な思いではありますが・・・。
 岩船寺門前の駐車場・・・「今日は300円」の看板が・・・。えっ?ということは・・・明日はいくらなんだろ? 観光シーズンになると高くなるのかな?それとも、シーズンオフは安くなるのかな??

 岩船寺を後に石仏巡りに出発。2kmぐらいだから、たいしたことはないと思っていましたが、途中、結構な山道でした。特に「一願不動」さん。思いっきり谷底まで延々と不揃いな階段を降りて・・・と言うことは、またまた登り返さなければ・・・さらにその先は、油断すると滑りそうな急な山道・・・登山装備の方が多かったのもうなずけます。でも、何か原風景って感じの山道で、気持ちよく歩くことができました。石仏は平安から室町期に作られた物とのこと・・・TANUKI 夫婦のように、国東の素人づくりのような素朴な石仏に馴染んでいる者としては、まさにプロが作ったと思われる緻密で美しい仏様は新たな感動でした。

「奈良奥山ドライブウェイ」を走ってみました

 石仏巡りを終えて再び奈良市内へ。まだ大阪のホテルに帰るには時間が余ってるし・・・かと言って正倉院展とかでごった返してる奈良市内を歩き回る気にはならないし・・・というわけで、「奈良奥山ドライブウェイ」を走ってみました。
 料金所で「全線ですか?」「(良く訳が分からず・・・)はあ。」「だったら、奥山の鶯の滝はおすすめです。時間があれば、ぜひ行ってみてください。」「はい・・・どうも。」と走り始めたのですが・・・。
 若草山の山頂に駐車場がありました。昨年、二重目までは登ったのですが・・・今回は三重目、一番上まで行けたことになります。最上部は鶯塚古墳でした。なるほど、これが枕草子に出てくる「鴬塚古墳」か。どうやらここまでが「春日山スカイライン」で、Uターンして戻ることもできるようです。やっと訳が分かりました。
 いよいよこの先が「奈良奥山ドライブウェイ」のようで、入り口の料金所で先ほど買ったチケットを見せて・・・「この先は世界遺産ですから・・・未舗装の道です。気をつけて。」と言われました。道が走ってる所は春日山原始林とのことでしたが、見る限り植林された場所も数カ所ありました。ま、道路を通してる場所だから、完全な原生林ではないようです。でも、気のせいか、春日の神様の霊気が漂ってくるような不思議な道でした。道の途中で、ランニングしてる人やトレッキング中と思われる人にも出会いました。どうやら、この道は自動車専用道路ではないようです。トレッキングも気持ちよさそう・・・。
 おすすめの「鶯の滝」も行ってみました。またまた谷底まで階段を降りて・・・。(今日は、「谷底まで・・・」が多いのかな?)でも、小さいけど、とてもきれいな滝でした。ほとんど人は来ないところのようで、我々夫婦だけ。周囲には全く人の気配はありませんでした。静かで気持ちの良い場所でした。

 レンタカーを返し、子供達と孫達にお土産を買って、再び近鉄で大阪のホテルへ。 〜〜 石仏と秘仏に会いに その3 へ続く 〜〜