ミヤマキリシマ
  2012. 6.12.  「ミヤマキリシマ」に会えました
雨の中、長者原登山口から・・・ 指山自然観察路の途中・・・ここから急登が続きます
指山頂上部の眺めです。一面ミヤマキリシマでした。早速、新しいデジカメでパノラマ撮影!
頂上(標識)の向こうに三俣山が・・・ 持参した高度計は1450m・・・ま、こんなものか・・・
ほとんどの株は花が咲き終わっていました。ちょっと遅かったようです。でも、ミヤマキリシマに会えました。
途中、ドウダンツツジがあちこち咲いていました 今回の登山ルートです・・・ちょっと寄り道もしましたが・・・
「ミヤマキリシマ」に会えました!・・・・

 現職時代は、この季節は一番仕事が忙しく、とてもとても山に行くなんて考えられませんでした。リタイアしたらミヤマキリシマを見に行こうって、ずっとms.TANUKI とも話していたのですが・・・・リタイアして3年目、やっとその夢が実現しました。

 登山前日、九重に着いてすぐ「牧の戸」まで行ってみました。ウィークデイ、天気は雨、それにもうすぐ夕方というのに駐車場は満杯。やまなみ沿いの車が停められそうな場所は、ずっと下まで駐車の列。すごい人が登ってるんですね。
 下山した人も多いようで、いくらか駐車スペースが空いてましたので車を停め、黒岩山側の展望台まで行ってみました。
 咲いていました!ミヤマキリシマ!! 数日、来るのが遅かったようで、ほとんどの株は花が終わっていました。でも、今まさに満開の株がいくつもありました。遠くに目をやると、雨に煙る星生山の北側斜面がピンク色に染まっていました。やっと念願のミヤマキリシマに会えました!!

雨の中、「指山」にアタックしました

 朝から雨。レインウエアを着て出発しました。今回は「指山」と決めてはいたのですが、昨日の星生山を染めるピンク色が頭をよぎって、悩んでしまいました。・・・・この雨の中、我々夫婦の体力では平治は無理!雨ヶ池あたりから平治岳や大船山を眺めるってのも一興だけど、この雨では眺めはないよね・・・・となると、牧の戸から扇ヶ鼻って手もあるよね・・・・。
 悩んでいるうちに雨はますますひどくなってきました。仕方ない、当初の予定通り「指山」を目指してみましょう!

 「指山」については、もう20年ぐらい前、TANUKI が当時定宿にしてたホテルの方から「頂上には、ものすごい数の株がある」という情報を頂いていました。ルートも整備中とのことでした。TANUKI の「山の師匠!」に相談したら、「指山経由で三俣山へ直登するルートがあったけど、現在、三俣山側は崩落がひどく登山規制がかかってるので、正面から攻めるしかないらしい。ルートは不明だけど、標高差は500m程度だから1時間半〜2時間程度で登れるのでは・・・・」とのことでした。
さらにネットで調べてみたら、指山へのルート整備は国立公園内の無許可開発ということで未整備のまま終わってるようです。また、メジャーな山ではないので、登山記録をネット上に残してる方も極端に少なく、相当古いものがほとんどでした。
 長者原のドライブイン(?)のお姉ちゃんに聞いたら「指山は、案内標識もあるし、ルートもしっかりしてますよ」と簡単に言ってくれました。へえ〜、そうなのか・・・・。

で、登った結果は・・・・

 確かに標識はちゃんとありました。長者原からスガモリ越ルートに入って、一般車通行止ゲート手前に「指山自然観察路」という看板が・・・・。すぐに涸れ沢を渡って、緩やかな樹林帯の登り道。途中、今は全く使われなくなったらしい色あせたウオークラリーのポストが寂しそうに立っていました。のんびりと歩いて標高1200mまで登ったところに「指山山頂」の標識。ここから急登が始まりました。しかも、下は黒く細かい火山灰地層。昨日からの雨で、たっぷりと水を含み、まあ、滑るは滑るは!両手両足をフルに使って、とにかく近くの木に助けてもらわないと登れない!木の根っこにうまく足をかけないと、ズルズルと滑って止まれない。まさに水を張った田んぼを斜めに立て掛けたような状態でした。
 途中何度も「ここまで何とか登ったけど・・・・これ、どうやって降りればいいんだろ?」と、ms.TANUKI と2人、引き返すか、さらに登るか迷いました。でも、ルート上のあちこちに、登山靴で滑った跡が・・・・。ま、登ってる人がいるのなら我々だって! と何とか300mの標高差を約3時間もかけて登り切りました。

 頂上部は聞いていたとおり一面ミヤマキリシマの株でした。ここもちょっと遅かったようで、ほとんどの株は花が終わっていましたが、まだ咲いてる株もたくさんあって、すばらしい景色でした。ただ、登山者は我々だけでした。くじゅう山系の山で登山開始から下山まで誰にも会わなかった山は初めてです。やっぱり、マイナーな山だし、あのズルズル滑る道ではね・・・・。ほとんど登山口近くまで降りた(落ちた?)時、やっと男性2人連れと出会いました。「ずいぶん滑りますね」「ああ、この先はもっとひどいですよ」「そうですか・・・・どうしよう?」と言いながら登っていきましたが・・・・。
 頂上では、さらに雨がひどくなり、持ってきた弁当も食べられず、コーヒーも沸かせず・・・・結局、長者原登山口まで戻って、やっとおにぎりを口にすることができました。三俣山との鞍部に道がないか探したのですが、「崩落がひどいので、この先の登山はご遠慮ください」との看板があり、結局登った道を引き返すことに・・・・何とか降りることはできましたが、何度も滑ってころび、まさに田んぼでの「泥んこバレー」状態。登山口で靴を洗ってる他の登山者さんたちから好奇の目で見られてしまいました。

 翌日、お土産を買いに先のドライブイン(?)に行きましたら、同じお姉さんが・・・・。「いや〜、指山は大変だった!」と言いましたら、「あそこ、滑りますよね。本当に登ったんですか? ここ数日、あちこちで滑って骨折して、連日のように救難ヘリが出動してますよ。無事で良かったですね。」だって、そんなこと先に言えよ!

 念願のミヤマキリシマにもしっかりと会うことができました。くじゅうの神様が「会わせてはやるが、簡単には会わせないよ」とおっしゃったのでしょうね。でも、無事に下山できました。くじゅうの神様、ありがとうございました。また会いに来ます!

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